この文章を書いている僕も中学2年生の時に交通事故に遭って、
脳挫傷、そして高次脳機能障害を患っていました。

高次脳機能障害を子供と向き合うことは、
家族にとっての大きな課題です。

この記事では、高次脳機能障害の子供の発達段階や、
家庭でのサポートに焦点を当て、高次脳障害を患った
子供と共に歩んでいくための方法を一緒に考えていきましょう。

子供の高次脳機能障害の原因とは?

子供の高次脳機能障害は交通事故などによる「脳外傷」によるものが多いです。
しかし、「小児脳腫瘍」が原因で高次脳機能障害を患うこともあります。

高次脳機能障害の原因は1つではなく複数あり、
原因を特定するのは病院での診断を受ける以外にありません。

高次脳機能障害とは?脳の機能障害を解説

高次脳機能とは、言語や行為、知覚、認知、記憶、
注意、判断、情動など大脳で営まれる様々な機能を表現した言葉です。

事故で頭を打ったり、脳血管障害が起こったりすると、
脳が損傷して、記憶障害、注意・遂行機能障害、感情の障害、
言葉が出にくい、自分の意志で行動できないといった障害が現れる場合があります。

思考、社会的行動、意識、言語、抽象的な理解、
問題解決、判断力など、これらの機能は、
私達が日常生活を送るのに重要なプロセスです。

高次脳の正常な働きは、人間らしい複雑な行動や知識の獲得、
言語の理解と使用、抽象的な思考、感情の制御に重要な役割を果たしています。

高次脳機能障害の症状1:言語とコミュニケーションの障害

コミュニケーション障害の特徴

1.言葉の意味がわかりにくい:言葉の意味や文章の意味がなかなか理解できないことがあります。

2.言葉でうまく伝えられない:自分の考えや気持ちを上手に言葉で表現することが難しいことがあります。

3.おしゃべりが難しい: 他の人とのおしゃべりや話がうまくいかない、話しが拡がらないことがあります。

4.難しい話や文章がわかりにくい:難しい話や長い文章を理解するのが難しい場合があります。

5.顔やしぐさでのコミュニケーションが難しい:顔の表情や手のしぐさ、視線などで伝えることがうまくいかないことがあります。

高次脳機能障害の症状2:記憶障害

1.すぐに忘れる:新しい聞いたこと、学んだことをすぐに忘れてしまうことがあります。

2.情報がごちゃごちゃ:頭の中で情報がごちゃごちゃになって、整理が難しいことがあります。

3.たくさんの数字が覚えられない:数字や順番を間違えるのは難しいことがあります。

4.長い時間のことが忘れやすい:30分前にあったことや昔のことを思い出すのが難しいことがあります。

5.情報が抜け落ちる:情報の一部を忘れてしまうことがよくあります。

6.覚えていることがぼやける:記憶していることがはっきりしないことがあります。

7.出来事の順番が覚えにくい:順番通りに進んだか、最初に正しい順番を覚えるのが難しいことがあります。

8.人や人の名前が忘れやすい:人や人の名前を覚えられない。記憶に残らないことがあります。

9.昔の思い出がない:昔の思い出を思い出すのが難しいことがあります。

10.思い出そうとしても難しい:記憶しようとしてもできないことがあります。

高次脳機能障害の症状3:注意障害

1.注意:何かに注意を向けることができない。気持ちを分散してしまうことが多い。

2.継続的な集中が難しい:長時間同じことに集中するのができない。すぐに飽きたりすることが多い。

3.計画を立てることが難しい: 自分で計画を立てることができない。未来のことを考えるのが苦手。

4.細かいことに気をつけない:小さな細部に注意を払う、気配りができない。

5.複数のタスクが難しい:2つ以上のことを同時に処理することが苦手、1度に1つのことしかできない。

6.うっかりミスが多い::軽度の注意障害があるため、手違いやミスがよく起こります。

7.時間感覚:時間の使い方が上手ではないことが多いです。

8.話が脱線しやすい::会話や作業中に関係のない話題が突然入ることがあり、本題から離れがちになります。

9.目的・目標を考えるのが難しい:なぜ、これをやっているのか目標や目的を自分で作ることが苦手。

10.課題を達成するのが難しい:集中力が続かず、長期的な課題を達成するのが難しい傾向にあります。

高次脳機能障害の症状4:遂行機能障害

1.計画の困難:事前の計画を作ることが苦手。

2.時間の適切な管理が難しい:予定を守ることや時間を効果的に使うことが難しい傾向にあります。

3.実行の遅れや先延ばし:今日やること、やらなければならないことの行動が遅れがちになります。

4.課題の優先順位の混乱:何を最優先すべきか判断することが難しい、わからない、
             今何をしたらよいか混乱が生じます。

5.繰り返し同じことの失敗のパターン:同じ間違いを繰り返す傾向があり、修正することが難しいです。

6.集中力の低下:長時間集中ができない、途中で気が散りやすい傾向にあります。

7.柔軟性の不足::新しい状況や変更に対する適応ができない、柔軟性に欠ける傾向にあります。

8.感情のコントロールの難しさ:機能障害により、感情を制御すること難しい傾向にあります。

9.継続的な作業の困難:計画を立て、継続的に行動することが難しい、継続性が欠ける傾向にあります。

高次脳機能障害の症状5:社会的行動と感情の障害

1.対人関係の困難:適切なコミュニケーションや友情の構築が難しい。他の人との関係が維持しにくい。

2.感情の不安定性:感情をコントロールする難しさがあり、怒りや葛藤などの感情が急激に変動することがあります。

3.適切な社会的行動の理解が難しい:社会的な規範や行動の適切な理解が難しいため、場面に応じた行動が難しい傾向にあります。

4.共感の不足:他人の感情を冷静に受け取り、共感することが難しい傾向にあります。

5.非言語コミュニケーションの認識が難しい: 言葉を使わない非言語的なサイン、コミュニケーションの一部が欠落することがあります。

高次脳機能障害の子供を持つお母さんのサポートとは?

子供が言葉やコミュニケーションで苦労しているとき

1.ゆっくり話してみよう
言葉の意味がわかりにくいだけかもしれないから、
ゆっくり話してあげることで言葉を理解できるようになります。

2.感じたことを尊重しよう
言葉ではうまく表現できないことが多々あります。
子供が感じていること、話そうとしていることを尊重しましょう。

3.図や絵を使って大事に助けよう
言葉で上手く伝えられないときは、
図や絵を使って言葉の意味を伝えるのも良い方法です。

4.一緒に会話の練習をしよう
おしゃべりが難しいと感じるときは、
一緒に声を出して簡単な会話を練習してみましょう。

5.笑顔やジェスチャーでコミュニケーションをとろう
顔の表情や手のしぐさで、表情を読み解くコミュニケーションの練習をしてみましょう。

子供が記憶に関して苦労しているとき

  1. メモやカレンダーを使って支援しよう
    大切なことや予定をメモやカレンダーに書いて、
    思い出に残しましょう。

    カレンダーにメモする時は、
    お母さまに一緒に日付を確認してあげることが大切です。

    高次脳機能障害を患っている子供様のメモしている
    日付が間違っていることがあります。

    正しく記録するためにも、
    最初はお母さまも一緒に手伝ってあげて下さい。
  2. 繰り返し練習して当たり前のように
    忘れやすいと感じることがあれば、
    繰り返し練習することで記憶を強化しましょう。
  3. ストーリーテリングで覚えよう
    記憶しにくい情報をストーリーにして
    イメージ化することで、思い出せるようになることがあります。
  4. 視覚的な要素を活用しよう
    視覚的なカードや絵を使って学習することで、
    記憶が助けられることがあります。

子供が注意力に苦労しているとき

  1. 目標を立てて計画を立てよう
    子供と一緒に目標、計画を立てることで、1つのゴールが見えて、
    ゴールに向けて継続的な集中力を発揮するのに役立ちます。
  2. スマホを活用しよう
    予定をスマホアプリで、管理することで、
    いつでも確認できる状態になり、時間の管理がしやすくなります。
    予定を入力するときは、お母さまのサポートが必要です。
    必ず、一緒に入力してあげて下さい。
  3. 時間ごとにタスクを分割しよう
    長時間の予定を10分単位など短い時間に分割して取り組むことで、
    集中力を持続させることができます。
  4. 興味を意識したもので学ぼう
    子供が興味を示したテーマで学習を進めると、集中力が向上することがあります。

子供が遂行機能について苦労しているとき

  1. チェックリストを活用しよう
    課題をリスト化することで、やり残し、行動の遅れを減らすことができます。
  2. 目標を明確にしよう
    目標を明確にして、優先順位をつけることで、課題の達成が容易になります。
    「まず、ここまでやろう」目標設定をお母さまも一緒に考えてあげてください。
    目標設定ができるようになると、自分で率先して行動できるようになります。

子供が社会的な行動や感情に苦労しているとき

  1. 共感を示しよう
    自分の考え、意見を発する前に、
    子供の感情や立場に共感を示し、
    安心感を考えることが大切です。
  2. コミュニケーションの練習をしよう
    適切なコミュニケーション、対話を練習するや機会を提供しましょう。
  3. 感情を表現する方法を教えよう
    感情を正しく表現する方法やコミュニケーションスキルを教えてサポートすることが大切です。
  4. 社交的な活動に参加させよう
    参加型の活動の場に参加させることで、
    社会性を身につけることができます。

    半1人旅もお勧めです。
    (ほぼすべてのことを子供様にさせてあげて、
    お母さまは横にいて足りないところを補助的にサポートしてあげます)

まとめ

子どもが高次脳機能障害を抱えている場合、お母さんのサポートは非​​常に重要です。
以下は、子供の異なるニーズに対応するお母さんのサポート方法になります。

  1. 言葉とコミュニケーションの難しさ
    • 言葉のヒントを助けるために、ゆっくり話します。
    • 言葉では表現できない感情を尊重し、理解してあげましょう。
    • 言葉以外の手段でコミュニケーションのために図や絵を活用するとよいです。
  2. 記憶に関する苦労
    • 大切な情報や予定をメモやカレンダーに記録し、記入する時のサポートをしてあげます。
    • 記憶しにくい情報は物語(ストーリー)にしてあげるとイメージ化しやすいです。
    • カードや絵を使って視覚的に学習することで記憶を助けます。
  3. 注意力の苦労
    • 子どもと一緒に目標や計画を立て、集中力を維持する手助けになります。
    • スマートフォンアプリを使って予定を管理することで、時間の管理が容易になります。
  4. 遂行機能に関する苦労
    • 課題をリスト化して、やり残しや行動の遅れを減らします。
    • 目標を明確にし、優先順位をつけることで課題の達成が容易になります。
  5. 社会の行動と感情の困難
    • 子供の感情や立場に共感し、子供に安心感を抱いてもらうことが重要です。
    • 正しいコミュニケーションや対話を練習させて、社交的な能力を高めます。

子供の自発的な行動を促すために、半1人での旅行を経験させることも1つの方法です。
子供が自分でうまく進めるよう、必要なときにお母さまが後ろでサポートする形が理想的です。
子供の成長に向かってぜひ取り組んでみてください。

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