高次脳機能障害とは？見えない障害の支援の方法について

2024年9月10日2024年11月12日

高次脳機能障害は、脳卒中や事故などによる脳損傷が原因で起こります。

外見や1回話しただけではわからない障害、

「見えない障害」

と言われています。

高次脳機能障害は、記憶障害や注意障害、遂行機能障害など広範囲の症状があります。

日常生活や社会生活に支障をきたすことが多い障害です。

外見からは分かりにくいため、周囲の理解を得ることが難しく、
適切な支援が不可欠と言われています。

本記事では、高次脳機能障害への理解を深め、
患者さんとそのご家族へのサポート方法について詳しく解説していきます。

高次脳機能障害とは：認識と現状について

高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などによる脳損傷が原因で起こる障害です。

日本では、まだ一般的な認知度が低く、「見えない障害」と呼ばれることもあります。

外見からは分かりにくいため、
周囲の理解を得ることが難しい場合があります。

全国に約27万人から50万人程度の患者さんがいると推定されていますが、
実態が十分に把握されていないのが現状です。

記憶障害、注意障害、遂行機能障害、
社会的行動障害などの認知障害により、
日常生活や社会生活に支障をきたすことが特徴です。

高次脳機能障害の多くの患者さんが仕事への復帰に困難を感じ、
社会参加に課題を抱えています。

家族など周囲の人の理解と協力が非常に重要ですが、

「こんなに元気なのに本当に障害があるの？」

と家族でも高次脳機能障害と認識できない、
適切な診断や支援につなぐ体制が十分ではない、
現在の社会情勢です。

高次脳機能障害患者さんへのアドバイス：日常生活での注意点

高次脳機能障害を抱える方々が日常生活を送る上で、以下のような点に注意することが重要です。

自己理解と周囲への説明：まず、自分自身の症状や困難になる状況を理解し、受け入れることが大切です。外見からは分かりにくい障害のため、周囲の人々に自分の状況を適切に説明する努力も必要です。

日常生活の工夫：記憶障害や注意障害に対応するために、メモを活用したり、スケジュール管理を徹底するなどの工夫が重要になります。料理・掃除・洗濯などの家事や、支払い、服薬管理などを確実に行うために自分に合った方法を見つけるための工夫が必要になります。

支援体制の構築：何かあった時や困りごとが出てきた時の相談先や対処方法を事前に決めておくことが大切です。家族や支援者との良好な関係を築き、必要な時にサポートを受けられる体制を整えましょう。

リハビリテーションの継続：症状の改善や社会復帰のために、できることを増やすリハビリテーションを継続することが大切です。

社会参加への取り組み：可能な範囲で就労や社会活動に参加し、生活の質を向上させる努力をしましょう。

二次的な問題への対応：うつ状態や不安などの精神的問題に注意を払い、必要に応じて専門家のサポートを受けることが大切です。

情報収集と交流：同じ障害を持つ人々との交流や、支援団体からの情報収集を通じて、より良い対処法を学ぶことが有効です。

高次脳機能障害のサポート：家族に期待される６つの役割

高次脳機能障害を患っている方へのサポートとして、周囲の人々ができることは多岐にわたります。

理解と配慮（ともに歩んでいく伴走者）：高次脳機能障害の特性を理解し、外見からは分かりにくい障害であることを認識してもらえると助かります。本人の困難や苦労を理解してもらえると、苦しみが和らぎます。
コミュニケーション支援（対人関係つくりの支援者）：ゆっくりと分かりやすく話しかけ、複雑な指示は避け、2つ以上のことを伝えるのではなく、1つのことに絞って伝えようとする心がけが大事なります。必要に応じて、メモや図などの視覚的な補助を活用することも効果的です。
環境整備（情報の管理者）：注意散漫を防ぐため、静かで落ち着いた環境を整えましょう。日課や物の配置を一定にし、予測可能な環境を作ることも重要です。
日常生活のサポート（生活の枠組みつくり）：スケジュール管理や服薬管理などを手伝い、必要に応じて家事や外出の際の付き添いなどを行いましょう。
社会参加の促進（社会復帰に向けての支援）：本人の能力に応じた活動や役割を見つけてあげて、参加を促すことも大切です。
精神的サポート（精神的サポーター）：本人の気持ちを受け止め、寄り添う姿勢を持ちましょう。焦らず、長期的な視点で回復や適応を見守ることが重要です。